「陽乃鳥」というのは「茜孔雀」の初期の名称です。
「山ユ」「亜麻猫」シリーズで有名な秋田県の新政酒造のお酒です。
かなりの実験作らしく、わくわくしながら抜栓しました。
ちょっと抜栓後の印象を経時的に書いて行こうかなと思います。
ちなみに呑んでいる時以外は4℃(冷蔵庫内)保管です。
1日目:
冷やで呑むとトップの酸がけっこうキツいです。
甘い酵母の香りの裏にあんずのようなウイスキーの薫に似たような風味が舌の奥に残ります。
そうして中々キツい風味を醸し出すのですが、ミドル〜ラストにかけてはその風味を緩やかに減衰させていく一方で米の甘みを増幅させています。
従って、人によって異なるとは思いますが、途中で必ず酸味と甘味の気持ちの良いバランス点を見つけられるお酒だと思います。
もしトップの酸味がキツいと思ったら少し人肌程度温めて下さい。酸味が少し抑えられ、まろやかな味になると思います。
すっきり呑めるとは言い難いですが、いくつか呑んできた方にはお勧め出来ると思います。
御馳走様でした。
2日目:
冷やで頂いています。
1日目と比べ、トップの酸味が刺激の強い物から刺激の弱い物へと変わっています。
1日目は若干下がぴりぴりくる程度の物でしたが、2日目はそこまでではありません。
生魚と干物に近い感じでしょうか。
トップの特徴は薄れましたが、その分甘味や旨味が強調されている印象。
旨味を感じたいのであれば2日目のほうがいいです。
3日目:
同じく冷やで。
どんどんトップの刺激が弱くまろやかになっています。
うまい具合に角が取れて、一般的にはこっちの方がウケるかも。
しかし、初日の強烈さを知っていると、なんとなく物足りなくなりますね。
「らしく」はなくなってます。
4日目:
冷やで頂いています。
3日目とあまり変わらない印象。安定期に入ったでしょうかね。
レビューも割愛。
5日目:
少しずつ、まろやかになっている印象ではありますが、1〜2日目のような大きな変化はありません。
この後もそんなに変化がないであろうと予測し、この辺りで検証を終了します。
やってみて。
やはりお酒の「らしさ」を感じるなら、まず抜栓直後を呑むのがいいんだろうと思います。
しかし、印象は変化する様に、抜栓して数日立った方が美味しいという人も多いと思われるので、その辺りは人それぞれですかね。
今回のお酒は抜栓後日にちが経つ毎に酸味の強さが弱まっていう傾向にありました。また、それに応じて甘味や旨味といった形質は日が経てば経つほど印象が表れて行く印象でした。
すごくキレの良いお酒は、トップの酸で勝負したい酒のため、早めに空けて呑んだ方が良いのかもしれませんね。
逆にうまい、じっくりとしたお酒は日にちが経った方が膨らむのかもしれません。
今後の要検討課題。
そんな感じで。
以上、経時変化のレビューでした。